電解研磨とは
電解研磨とは、電解研磨溶液に研磨素材を浸漬させ電気を流して研磨する処理方法です。研磨素材を陽極(+)、対する電極を陰極として電気を流して金奥表面を溶解させて研磨していきます。電気は金属表面の凹凸の凸部分に流れやすく、凸部分が先に溶解されていくので、金属表面の平滑化、光沢化された仕上がりになります。
ステンレス電解研磨の特徴
- ・耐食性の向上
- ・平滑化、光沢化
- ・洗浄性
- ・微小のバリの除去は可能だが、大きなバリの除去は難しい
電解研磨により、ステンレス表面のクロムが濃縮された不動態皮膜となることで酸化しにくくなり、通常のステンレスよりも耐食性が向上します。
ステンレス表面が溶解することで不純物等が取り除かれます。凸部分が優先的に溶解されるため、ステンレス表面は平滑化・光沢化されます。
表面が平滑化されることにより不純物が付着し難くなります。そのため、不純物の除去が容易となります。
ステンレス表面の大きなバリを電解研磨で除去することは不可能ではありませんが、過電解や高コストにつながります。一度、物理的にバリを小さくしてから電解研磨することを推奨いたします。
他の研磨加工との違い
- ・バフ研磨、バレル研磨のように素材に対しての物理的な力はかからない
- ・バフカス、研磨剤、油分などの不純物が残留しない
ステンレス電解研磨 事例
電解研磨には鏡面仕上げ、白面仕上げがあります。
プレス加工、曲げ加工、切削加工では金属表面に異物、鉄粉等が打ち込まれるため、極端に耐食性が低下します。これを改善すると共に、外観等を整えることが電解研磨の目的です。電解研磨をすることにより、不動態皮膜が強固になり耐食性が改善されます。
医療器具、食器具、装飾品、水道部品、厨房金具、建築金具、その他に広い業界の製品に利用されています。
材質:SUS304 用途:ろ過部品 特徴:内・外電解研磨 |
材質:SUS材 特徴:バフ研磨→電解研磨 |
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材質:SUS316 サイズ:Φ2×9 特徴:治具を使わない電解研磨 |
材質:SUS材 用途:配管部品 特徴:内・外電解研磨 |
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材質:ロストワックス 用途:医療部品 特徴:光沢バレル |
材質:SUS304 用途:検査装置部品 特徴:内・外電解研磨 |
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材質:SUS304 用途:配管部品 特徴:小ロット対応 |
前処理、後処理について
電解研磨では化学的な研磨をおこなうため、非常に細かい研磨が可能ですが、物理的に大きなバリは取れないという欠点があります。前処理としてバフ研磨やバレル研磨をおこなうことが多いですが、弊社では前処理のバレル研磨から一貫しての対応が可能です。
また、後処理として不動態化処理(パシペート)も対応できます。